MAKING  ( DODGE RAM ) 


 以前、仕事でお世話になったIさんが所有していたダッジ ラム。とても大事にしていましたが、今は手放して別の車に乗っています。今回はこの車を出来る範囲で再現することを目標に製作したいと思います。


 実車と全く同じタイプの模型は販売されていないので、とりあえず一番近いと思われるレベルのダッジラムVTS ピックアップを購入。


 写真を見て分かる通り、実車との大きな違いはリアシートの有無によるボディ形状と車高。小さな違いとしては、オーバーフェンダーの有無、ミラー形状、フォグランプの位置等です。今回は、初のセミスクラッチ(と言えるのか?)に挑戦してみたいと思います。


 キットに付属していたタイヤ。妙にツヤがあったり、トレッド面の幅が狭く貧弱な感じです。実車の迫力を再現することを考えると、このタイヤは使えないので、別のキットからの流用が必要そうです。


 そこで白羽の矢を立てたのが、ドライブに行った際に寄ってみた模型屋で見つけたアオシマのパジェロです。購入したときは貴重なキットだったようですが、最近再販されたようです(2011年8月時点)。これで、ダッジラムに流用して不足するパーツを取り寄せることができます。
 
 左側が今回流用するパジェロのタイヤで、右側がダッジラムに付属していたタイヤです。質感が全然違います。レベルのものは、いかにもおもちゃという感じです。
 
 ホイールの形状も異なります。
 Iさんに提供してもらった写真を参考にして、お絵かきソフトで正面からの図を描き、キットの縮尺に合わせて縮小印刷しました。真横からラムを撮影した写真は無かったので、正確ではないと思います。
 
 上で印刷した紙をプラ板にのりで貼り付けて、サークルカッターで切り出し、ピンバイスで等間隔に8個の穴を開けました。サークルカッターによる切り出しは思っていたよりも難しく外周部がガタガタになってしまいました…
 
 とりあえずパジェロのタイヤにはめ込んでイメージどおりになっているかを確認。
 
 試しにリムの部分は、薄いプラ板をタイヤの内周に沿って丸めてみましたが、真円度の再現がいまいちです。リム部分もパジェロのホイールを切り刻んで流用することになるかもしれません。何かプラ板を綺麗な円筒形状にする良い方法はないものか…
 
 今回の製作で一番のポイントとなるボディ形状の改造。
 模型多国籍軍の管理人M.Kさんが製作中のRX-8リムジンの製作記を参考に、とりあえずボディをドア後部で切断。実車の写真を参考にして延長するべき大よその長さを計算し、その長さのプラ板を切断部にスペーサー代わりに接着しました。
 
 最初に接着したスペーサー代わりのプラ板の間を埋めるように、プラ板の細切れを何枚も接着していきます。表面のプラ板だけでは強度的に心許ない為、補強のために裏側にプラ板を互い違いに接着しています。
 
 プラ板の隙間と表面の凹凸をなくす為にポリパテを盛り、乾燥ブース(=食器乾燥機)で数日乾燥させました。ポリパテの乾燥を確認してから、プラ板を当て木にして耐水ペーパーでざらざらしたポリパテの表面を慣らしていきます。
 おおまかな形状の基礎はできましたが、まだ凹凸があったり窓枠の形状も大まかにしか作っていないので、まだまだボディの改造は続きます。
 
 モチベーションを高めるために、延長工作中のボディとパジェロのタイヤを合わせてみました。オーバーフェンダーは、プラ板の積層で作れば良いのか?それともエポキシパテで作れば良いのか悩んでいます。
 
 2011年10月3日追記

 前回の最後にも書いていますが、構想段階から懸案事項だったフェンダー部の造形。今の私の技術では、フェンダーエッジ部の綺麗なRを再現するのは難しいので、汎用のプラ素材を使用して、まずは試作してみたいと思います。
 
 今回使うのは、京商の扱うエバーグリーン社のクォーターラウンド(円を4分割した形状)のプラ棒です。ホビーショップテンさんで取り寄せて貰い、3本セットのところを1本だけ小売して頂けました。店長さん、ありがとうございます。
 
 プラ棒を曲げるだけでは形状を維持するのが難しいので、まずボディにマスキングテープを貼り、マジックで大体の形状を書き込みました。
 
 上記のマスキングテープをプラ板に張り付け、マジックの線に沿って切り出します。左右あるので、まず1枚切り出し、それをテンプレートにして、もう片方のフェンダー用のプラ板を切り出しました。
 
 切り出したプラ板の形状に沿わせるようにして、エバーグリーンのプラ棒をグググッと曲げながら接着していきます。本来真っ直ぐのプラ棒を、テンションをかけて曲げながら接着していくので、接着剤がある程度乾くまで手で固定していないといけませんでした。
 プラ板側の余計な部分をおおまかに切除したものが左の画像になります。
 
 イメージに近いものができているかを確認するために、ボディに当ててみます。細かい形状については、もう少し改善の余地がありそうですが、この方法でなんとか再現できるような気がしてきました。
 
 2011年12月6日追記

 フェンダーは何とか出来そうな気がしてきたので、後回しにします。次は延長部分の凹モールドを再現します。写真は、上側のモールドを試しに彫ってみたものです。下側のモールドを追加する工程でで手順を紹介します。
 
 フロントドア部分と荷台部分の凹モールドの太さの真ん中に合わせるようにしてスケールを固定します。これをガイドにして、ラインエンクレーバーで細い筋彫りをします。
 
 筋彫りをしたものが、これ。
 
 筋彫りの溝に折り曲げたフィニッシングペーパー(400番)を当てて、溝の長手方向に何度もスライドさせます。溝の太さや深さが希望通りのものになった時点で止めます。
 
 確認のためにサーフェーサーを塗りました。溝の太さが均一でないような気がしますが、これは後ほど修正したいと思います。
 
 次はフロントバンパーの工作。左の写真が目標としている実車のバンパーになります。
 
 これはキットのバンパーです。ライトの位置が異なっており、モールドも追加しないといけないようです。
 
 とりあえずキットのライトの穴を塞ぎたいと思います。穴の全部をパテで埋めても良いのかもしれませんが、硬化に時間がかかりそうなのと、後からのヒケが怖いので、タミヤの丸棒タイプのプラ棒を突っ込んで接着しました。
 
 エッチングソソーで余分な部分を切り取ります。
 
 大まかに切り取った状態。
 
 プラ棒とキットの隙間に光硬化パテを充填して蛍光灯に2分間ほど当て、パテを硬化させます。
 
 細かな修正がまだ必要だと思いますが、とりあえず大きな穴は埋まったようです。
 続く